キングジョー (非売品) 「イメージ」について

そのような「イメージ」には、毎回、悩まされる。3年前、ある会社から、シーサー制作の依頼があった。沖縄のシーサーを画期的な「かわいい」デザインで、サンプルを制作してほしいとのこと。では、「かわいい」とは、どういうことなのか?キティーちゃん、ミッキーマウスのような、猫、ねずみをデファルメして、かわいくしろということなのか?口をなくしたり、耳を大きくしたりして、画期的なデザインにするということだろうか?依頼者の「イメージ」とは、何か悩んだ。まずは、シーサーのオーソドックスなデザインを描いてみた。そもそもオーソドックスでさえ、あいまいだ。巷にあるシーサーを参考にした。友人、家族にも意見を求めた。結局は、無理やり制作した。目はたれた方がかわいい、鼻は丸っぽい方がかわいい、色は今までにないほどのカラフルにする、などイメージをふくらませて制作した。また、弟にも、彼のイメージで制作してもらった。5種類を制作して、依頼者へみてもらった所、
どのサンプルも採用なれなかった。理由は、「かわいくない」とのこと。個別のサンプルについて、耳をちょっと小さくしてくれなどの指摘はあったので、2、3回サンプル制作を繰り返した。しかしながら、結局は、時間の制約もあったので、依頼者の「イメージ」に応えきれずに断念した。
もちろん、依頼者の「イメージ」に応えることができて、商品化されたものもあり、私自身の「イメージ」以上の商品にできあがったものもある。それでは、いろいろな「イメージ」に応えることができる、できないには、どこに差があるのか、今だにわからない。つまりは、それぞれの「イメージ」に近づけるように、挑戦するしか方法がない。具体的な回答を追及するしか方法がない。まだ、まだ、制作の経験が少ないと思う。継続は力なり。継続することから、答えが見つかるのではないだろうか。
以上。